物を買う時は誰でも安い方が良いと思います。
しかし、物を売る時には、高い方が良いと思います。
物の値段が高ければ買うことは容易くありません。
しかし、物の値段を安くしてしまうとそれだけ儲からないのです。
売る側と買う側とで立場があり、双方にも利益があるのです。
この商いのように、人間関係もそれぞれに利益の共有は存在します。
人を利用する人間と、利用される人間とでは、互いに異なり相交わることが少ないかもしれません。
しかし、その心に仁・義・礼・智・信の五徳があるかないかでことの流れや結果が大きく異ってきます。
品質も良くて技術も優れていて職人の生活を守る商品ならば、高価格でも売れるはずです。そして、買う方も納得して購入するでしょう。
しかし、品質が悪くて手を抜いた商品ならば、買う方は騙されたと思います。
さらには、二度とそこから買わなくなるのです。
世間には、求められて誕生する商売と求められていないのに誕生する商売とが混雑しています。
それらを見極める目を養うことが、毎日の鍛錬になるのです。