多くの観光客が国内外から訪れ、都内屈指の観光スポットとして有名な表参道には、世界的有名ブランドが立ち並び、日本が誇る根津美術館がある流行の発信地としても認知されてきました。
表参道の交差点からプラダの旗艦店へ向かい、小路を入って行くとそこに大きく変わった木で覆われた建物があらわれます。それは、台湾のパイナップルで作ったケーキの専門店『Sunny Hills at Minami Aoyama』さんです。台湾は、鉄分を多く含む豊かな土壌を持ち、品質の良いパイナップルが捕れる世界でも有数のパイナップルの産地なのです。香りが強く程よい甘さが特徴で、パイナップルの中でも評価の高い品種が多くあります。
こちらの建物は、非常に芸術性が高く目を引きますが、コンセプトの「都会の中に森をつくる」ということに沿った建造物に圧巻です。この建物を見て、中に入って寛いでもらうことが目的だそうです。この芸術的な建物を手掛けたのが、隈研吾さんです。新国立競技場や新歌舞伎座、サントリー美術館などを手掛けた建築界の巨匠としても有名です。
2階では、パイナップルケーキと紅茶でおもてなしをしてくれて、そこでの料金は無料です。窓から降り注ぐ光は、まるで大きな木の中にいて、枝と枝との間から差し込む太陽の光をイメージさせられる優しい明るさの空間です。
ところ変わって骨董通りには、42年間実際に住居兼アトリエとして使われていた『岡本太郎記念館』が住宅街の中にひっそりとあります。ピカソを超える芸術家を目標に、大阪万博の「太陽の塔」や渋谷駅の「明日への神話」など数々の作品を生み出した奇才の芸術家として有名でした。
岡本太郎さんにとっての芸術とは、生きることそのものであり、名言の「芸術は爆発だ」とは物が音を立てて壊れる様を指すのではなく、宇宙に向かって無条件に命が音もなく開く様なイメージだそうです。ここでは、数々の作品がみられます。
「座ることを拒否する椅子」や「こどもの木」など、すべての作品のコンセプトはほぼ不明なのです。アトリエの部屋では、未完成のキャンバスや当時使用していた絵の具や筆も展示されています。ここ青山でアトリエを構え生活をするというと、一般人には派手な暮らしぶりが想像されたのですが、絵を売らず作品も売らなく執筆活動などで生計を立てていたために、非常に苦労をされていたようです。
なぜ、売らなかったかというと、売ってしまった時点でそこの人だけに観られることになり、芸術とは、多くの人に観てもらうことが大切と考えていたことで、パブリックアートを沢山手掛けたそうです。買うことは今もできませんが、この記念館では作品に触れることができます。ちなみに、普段の岡本太郎さんはとてもジェントルマンでレディーファーストな優しい方だったそうです。
芸術目線で表参道を散策すると、
建物や設置されている器機、食べ物に至るまでもが芸術品に見えて来ます。
『COMMUNE 2nd』はおしゃれな屋台村です。
ドイツ料理やタイ料理など世界各国16店舗が立ち並ぶ、昼間から賑やかで盛り上がっています。中でも人気の変わり種が、ポテトチップスとフライドポテトの中間の触感が味わえる螺旋状にカットされた『BROOKLYN RIBBON FRIES』さんのポテトフライはポテト本来の味が極限まで味わえる製法で調理されていることで、多くの観光客さんや近隣で働く方のお腹を満足させているそうです。
さらに奥に進むと日本の和を意識したおしゃれなライスバーガーの『KIMINO』さんがお出迎えしてくれます。ゆずの専門店としてオープンしてから、大人気のゆずカクテルからゆず入り稲荷、そして外国人からも評判の鳥の胸肉をから揚げにしてライスでサンドしたゆずドレッシングを効かせた「柚子チキンライスバーガー」が好評だといいます。表参道という土地柄で、オシャレな日本人も多く来店する中で、海外からの観光客の方に日本の味を知って欲しいという想いをもってオープンさせたとオーナーの濱野秀美さんは語られました。