✿ 頼ることの大切さ

突然ですが、みなさんは、人が昔から本能的にお互いが協力し助け合い、生きて来た生物だったということをご存知でしょうか。ひとりで抱えがちな問題も他人に助けてもらうことで解決することは、決して少なくありません。原始時代からそうですが、単独で狩猟をするわけではなく集団でコミュニケーションを取り連携しながら大型の動物を倒してきたのです。

わたしたちは、本能的に助け合って頼るためのプログラムがDNAに備わっているにも拘らず、頼ることができない人が現代で多くいるのはなぜでしょうか。
その背景には『日本の教育のあり方』が大きく関係しているといわれています。幼い頃に身についたこどもの心の強さであり、日本の精神風土に農耕社会の考え方が強く影響しているからだといわれてきています。

田植えや稲刈りなどの農作業を皆で行い収穫を待ちますが、その時間が長いことが原因なのです。その間、一人ひとりが努力することを怠って収穫のチェックをし合って目標を達成する喜びよりも、人に迷惑をかけず大人はひとりで頑張ることとどんな状況になっても逃げてはいけないことを指導してきたのです。

このことがすべて悪いことだとは言えませんが、ひとりでがんばる時と助けを求め頼ることの大切さも同時に教育するバランスが必要なのです。

昔は大家族で地域社会なのどのつながりがあり、自然とできるような環境でもありました。しかし、現代社会では助け合うことの良さや謙虚な姿勢を学ぶ機会や環境が失われてきています。残念なことに都会から地方までがそのように移り変わっています。

今まで自信を持ってやってきたことを変えることは、勇気が必要です。しかし、一歩前へ踏み出すことができれば、誰でも変われるということも分かって信じて欲しいのです。子供の頃からひとりでがんばってきたひとは、「ひとに迷惑をかけない」「どんなことがあっても逃げてはいけない」などのことを守る自分が好きですが、そんなひとこそトラブルに直面すると脆くて弱い傾向にあります。

頼ることの苦手意識はありますが、いざ助けを求めて頼ろうとした時に相手が思うようにやってくれるか不安になってしまうことや、逃げているのではないかと自分を責めてしまい罪悪感を覚えてしまうことが原因だと思われています。

頼り頼られての関係性を築けることは、本当の心の強さであり、コミュニケーションを維持するために大切な行為なのです。しかし、今までの生き方の中でやり方を変えることは勇気が必要だと思います。さらに、悩みの中で疲れてしまい気力がわかない時などは、新しい試みなど当然無理でできないことになります。

慌てないでください。
ちょっとだけ元気が出てきたら、部屋の窓を開けて空気の入れ替えをして、季節の風を感じながら街やひとに目を向けて、一歩踏み出せる瞬間が必ず来ます。
その時がチャンスなのです。

誰にでもあるそのチャンスをしっかりと感じてゆっくりと歩み出してください。