平昌冬季オリンピックが幕を閉じ、多くの感動を心に刻んでくれたことでしょう。
本番で自分の力を発揮することができるか、発揮できないかは心の質量に由るといいます。本番までの練習で自分が蓄えてきた力を十とすれば、本番で十の力を発揮できれば実力を出し切ったことだといえます。しかし、本番となれば力の二か三は、緊張するしてしまう力と期待に応えようとする力に配分されて、蓄えてきた力が目減りしてしまい本来の実力が発揮できないことになってしまいます。
無心になるということは、余計な緊張や期待に応える力を配らないことになります。しかし、上がり症やそれ以外の配分の影響があるならば、十の力を蓄えていては足りません。
十二や十三の余力を蓄える必要があります。実力に天性は関係ありますが、それは天才の場合のみです。実力とは『力を実らせる』ことに由来し、心で思うことの「種」と「栽培」の余力を持つ修養が必要になります。
蓄えた力を本番で十分に発揮するためには、余計な緊張や期待を断ち切ることで専心することなのです。しかし、どうしても緊張や期待に応えようとしてしまいます。
だから、そうなることを予測して余力をつける修練を忘れずに、本番を想定したことを本気で行うことが大事なことなのです。しかし、ほとんどの練習は練習であって本番を想定したことをしないのです。
もし、本番で実力を発揮できない時は、それが本来の力と思えば良いのです。そこから、足すことの準備と構えを行えば必ず感動の瞬間の主役になれるはずですから…。