✿ 時間の速さを感じる人生とは…其の壱

反比例する時間の速度
生涯のある時期における時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例するといわれています。
これは、十九世紀のフランスの「心理学者＝ポール・ジャネー」により提唱された心理学者の考え方であり、人が感じる月日の流れや過去を振り返った際におこる時間の流れの速さに対する感覚は、若い頃は遅く感じ歳をとるにつれて短く、そして速く感じるようになるというものです。

30歳の人なら1/30に、50歳の人なら1/50の速度で時間は過ぎていくことになります。そして、年々歳を重ねるたびにその速度は加速して行くのです。
さらに、50歳の人の10年間は5歳の子どもにとっての1年間であり、5歳の子どもの1日は50歳の人にとっての10日間に相当するということなのです。

記憶量と時間
また、自身へのインプットが少ないからという記憶減少の量は、時間とイコールだという理論があります。一方では、沢山の記憶を思い出せる量の出来事は時間を長く感じられるというのです。
記憶している量を主観的な時間の長さとして認識しているとすれば、初めて体験することだらけで、生きていることだけでインプットになってしまう子どもの頃の時間は長くなるというものです。ですから、仕事でアウトプットばかり続けている（インプットが少ない）大人の時間は短くなるという考えです。

一つのトピックスだけを考えると、いろいろ思い出すので記憶が増えたように感じて主観的な時間が伸びるように感じますが、いまと連続しない特定の出来事を思い出すとその出来事の記憶が増える一方で、現在までの記憶は相対的に減ったように見えるために、出来事との間の時間が速く過ぎたように感じるのです。